【2022年】ミラノ~サンレモ 下りで勝負が動く!レースの結果と感想

サイクルロードレース

こんにちは! ニハシ(@nihashi_kintaro)です。

ミラノ~サンレモの結果と感想をお伝えします。

見逃した方や、他の人の感想を見たい方はぜひお読みください!

レース概要

ミラノ~サンレモには、愛称、呼び名がいろいろあります。

「モニュメント」…5大クラシックレースのことを「モニュメント」と呼びますが、ミラノ~サンレモも「モニュメント」のひとつです。

「プリマヴェーラ」…春を意味するイタリア語。モニュメントの中でも一番早い時期に開催されるこのレースについた愛称です。

「クラシチッシマ」…クラシックの中のクラシックという意味。1907年から続く伝統あるレースらしい呼び名です。

およそ300kmと距離が非常に長いです。

そして、ほとんど平坦基調のコース。そのためスプリンターが勝ちやすいクラシックといわれています。

ただ、終盤に二つの登りがあります。ここでパンチャーやクライマーの選手が仕掛けることが考えられ、そこについていくことができるかどうかがスプリンターにとって重要になります。

過去の優勝者
2021 STUYVEN Jasper
2020 VAN AERT Wout
2019 ALAPHILIPPE Julian
2018 NIBALI Vincenzo
2017 KWIATKOWSKI Michał
2016 DÉMARE Arnaud
2015 DEGENKOLB John
2014 KRISTOFF Alexander
2013 CIOLEK Gerald
2012 GERRANS Simon

去年はスプリントに持ち込まれそうなところを、ヤスパー・ストゥイヴェンが抜け出しました。ライバルたちは駆け引きの中で反応が遅れ、ストゥイヴェンが大金星を挙げています。

クリストフデゲンコルブデマールと、三年連続スプリンターが勝利しましたが、その後はクフィアトコフスキニバリアラフィリップとパンチャー、総合系の選手が勝利しています。ワウト・ファンアールトはなんでもできるので、分類が難しいですが…

2022年の注目選手

先週行われていた、パリ~ニースでは体調不良によるリタイアが相次いでいました。

依然その影響があり、何名かの有力選手が出場を取りやめています。

前年の覇者ストゥイヴェンや、世界王者ジュリアン・アラフィリップが出場しません。

一方で、怪我の影響で今シーズンレースに出ていなかった、マチュー・ファンデルプールが直前で出場となり、注目を集めています。

また、日本の新城幸也選手も出場します! 新城選手も体調を崩し先週のレースをキャンセルしていただけに、今回のレースで復帰できてよかったです。

優勝候補筆頭は、ユンボ・ヴィスマのワウト・ファンアールトになるでしょうか。

ワウトであれば、登りもこなせますし、独走力もあるし、スプリントもあります。死角が見当たらないところです。

逆にワウト・ファンアールトが負けるパターンを考えると、
・早めのアタックに反応せずリードを許してしまい、追いつけない。
・人数の多いスプリントに持ち込まれて、生粋のスプリンターに負ける。
・クライマーよりのアタッカーに登りで決定的な差をつけられる。

このようなところでしょうか。

そして、それができる選手が多く出場しています。

まずは今や無敵じゃないかと思うぐらい強い、タデイ・ポガチャル

今のポガチャルならなんでも勝ちそう。まずはワウト・ファンアールト含めたスプリンターを途中で振るい落とすことが重要です。

スプリントになれば、クイックステップのヤコブセンが今の力、調子であれば1枚抜けて強そう。

他にも、ぺーター・サガンプリモシュ・ログリッチ、などのビッグネームも参加しています。

サガンの調子もどうなのか、じっくり見てみたいですね。

本当にレース展開が楽しみです。

レース展開と結果

序盤から中盤

長いレースですが、早くから逃げが決まります。

逃げメンバー
エフゲニー・ギディッチ(アスタナ カザクスタン チーム)
アルチョム・ザハロフ(アスタナ カザクスタン チーム)
アレッサンドロ・トネッリ(バルディアーニCSFファイザネ)
フィリッポ・タリアーニ(ドローンホッパー・アンドローニジョカトリ)
リカルド・スリタ(ドローンホッパー・アンドローニジョカトリ)
サムエーレ・リーヴィ(エオーロ・コメタ サイクリング チーム)
ディエゴ・セビーリャ(エオーロ・コメタ サイクリング チーム)
フィリッポ・コンカ(ロット・スーダル)

メイン集団は、ユンボ・ヴィスマやアルノー・デマール擁するグルパマ・エフデジなどがコントロールします。

5分以上差がつくような時間帯もありましたが、全体としては前をいつでも捕まえられる状態でコントロールしているように見えます。

大きな展開はしばらくの間起きず、やはり最後の登り2つで勝負が始まりそうです。

勝負所その1 残り27.2km地点 「チプレッサ」

勝負所となる1つめの登り、「チプレッサ」に先頭、集団ともに入っていきます。

「チプレッサ」は登坂距離5.6km、平均勾配4.1%、最大9%と、長さや平均勾配はそれほど厳しいわけではないですが、パンチャー、クライマーの選手にとっては仕掛けどころのひとつです。

そこに向けて、メイン集団のペースが上がっていきます。

厳しいレースにしたい、UAEやユンボ・ヴィスマなどのチームが中心となってペースアップ。

ここで、ペーター・サガンがメカトラで、バイク交換! 集団のペースがかなり早くなっている中でこれは痛い! 結局サガンはこのあとメイン集団に戻ることなくレースを終えています。

イネオスのトーマス・ピドコックやクイックステップのファビオ・ヤコブセンが遅れていきます。

勝負所その2 残り12.1km地点 「ポッジオ」

次の勝負所である「ポッジオ」は、登坂距離3.7km、平均勾配3.7%、最大8%と先ほどの「チプレッサ」以上に登りとしての難易度はそれほどではないですが、最後の登りのため、間違いなくアタックがおこり、生き残り合戦になるポイントです。

逃げは2人にまで減り、リードもわずか。

アレッサンドロ・トネッリ(バルディアーニCSFファイザネ)とサムエーレ・リーヴィ(エオーロ・コメタ サイクリング チーム)が最後まで逃げ残っています。

280km逃げてきた彼らには脱帽ですね。ただ集団にはもうつかまりそうです。

そしてポガチャルがアタック!

ポガチャルは何度もアタックを繰り返しますが、ライバルたちも離れずついてきます。

ワウト・ファンアールトプリモシュ・ログリッチは2人ともついてきます。そしてマチュー・ファンデルプールもついてきます。

ポガチャルとしては、スプリント力を考えると、ワウトマチューは引き離しておきたいところでしたが、差をつけることができません。

結局、決定的な差はつけられないまま、有力どころが前に残ったままポッジオの登りを登りきります。

あとは下って、平坦をこなしゴールになります。

最後の下りと直線!

下りに入ったところで、登りでは少し遅れ気味だった、バーレーン・ヴィクトリアスのマテイ・モホリッチが下りで追いつき、そのままアタックを仕掛けて、後続を引き離していきます!

コースアウトぎりぎりまで攻めた走りをして、後続を突き放します!

後ろではポガチャルワウトマチューが追いかけますが、ちょっと牽制もあり、追いかけきれません。

平坦になり、集団が少しずつ近づいてくるも、下りのリードを守り切ります!

マテイ・モホリッチが勝利!

2位で悔しがる、アントニー・テュルジスの姿も印象的でした。

勝利を収めたモホリッチは、このミラノ~サンレモの下りに合わせて、サドルの位置を変更できる、ドロッパーポストをつけてレースに臨んでいたそうです。

サイクルフォトグラファーの辻啓さんが、こちらに記事を載せています。

ドロッパーシートポストで全員をドロップしたモホリッチ

レース結果
順位選手名チームタイム差
1Img bandiera MOHORIČ MatejTBV
2Img bandiera TURGIS AnthonyTEN0:02
3Img bandiera VAN DER POEL MathieuAFC,,
4Img bandiera MATTHEWS MichaelBEX,,
5Img bandiera POGAČAR TadejUAD,,
6Img bandiera PEDERSEN MadsTFS,,
7Img bandiera KRAGH ANDERSEN SørenDSM,,
8Img bandiera VAN AERT WoutTJV,,
9Img bandiera TRATNIK JanTBV0:05
10Img bandiera DÉMARE ArnaudGFC0:11

マチュー・ファンデルプールは3位。怪我明けとは思えないレースで、今後が楽しみです。

マイケル・マシューズが4位。ポガチャルは5位。ポガチャルにはもう少しきつい長いのぼりが必要だったかもしれません。

サガンは6分1秒遅れの92位。新城は8分31秒遅れの111位で完走。新城も序盤アシストとしてチームに貢献していました。チームメイトのモホリッチが勝利したのでよかった!

今後のレース予定

開始日終了日レース名
3月21日3月27日Volta Ciclista a Catalunya
3月23日ワンデーレースMINERVA CLASSIC BRUGGE – DE PANNE
3月25日ワンデーレースE3 Saxo Bank Classic
3月27日ワンデーレースGent-Wevelgem in Flanders Fields
3月30日ワンデーレースDwars door Vlaanderen – A travers la Flandre
4月3日ワンデーレースRonde van Vlaanderen – Tour des Flandres
4月4日4月9日Itzulia Basque Country
4月10日ワンデーレースAmstel Gold Race
4月17日ワンデーレースParis-Roubaix
4月20日ワンデーレースLa Flèche Wallonne
4月24日ワンデーレースLiège-Bastogne-Liège
4月26日5月1日Tour de Romandie
5月1日ワンデーレースEschborn-Frankfurt
5月6日5月29日Giro d’Italia

3月21日からVolta Ciclista a Catalunya(ボルタ・ア・カタルーニャ)が始まります。

スペインでの1週間のステージレースですね。

アレハンドロ・バルベルデリチャル・カラパスサイモン・イェーツナイロ・キンタナが出場予定です。

スペインでのレースということで、バルベルデさんの活躍に期待です!

最後までお読みいただきありがとうございました!

サイクルロードレースのシーズンはまだまだこれから! 楽しんでいきましょう!

おわりです!

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