こんにちは。ニハシ(@nihashi_kintaro)です!
スポーツの話ばかりしていますが、今日は前職の知識を活かして中学受験について書いてみます。
お子様に、中学受験をさせようか迷っている保護者の方、すでに中学受験に向けて勉強や塾通いを始めさせているけれど、このまま続けていいのか迷っている保護者の方の参考になれば幸いです!
本題に入る前にすこしだけ自己紹介しておきます。
ニハシは、実は20年以上塾で働いていました。中学受験、高校受験、大学受験とどれも指導していましたが、特に中学受験と高校受験は長く携わっていました。
「東大合格者を5000人以上指導!」とか「御三家に数百人合格!」とか華々しい経歴ではないですが、「普通のご家庭」「普通の小学生たち」を中心に1000人以上は見てきたとは思います。
そんな経験を踏まえて、メリットデメリットをお伝えします!
中学受験をするメリット5選
中学受験をするメリットは、さらに大きく分けると、「受験勉強をすること自体で得られるメリット」と「受験後に得られるメリット」に分けられるかなと思います。
「受験後に得られるメリット」は、イメージしやすいかもしれませんが、「受験勉強をすること自体のメリット」も大きいと思います。
もし「いい学校に行くため、今はただ耐えるんだ!」なんて思っている方は、受験勉強をすること自体のメリットも意識していただくといいのかなあと思います。
中学受験をすること自体のメリット
1・頭の柔らかいうちに、知識や考える力をつけることができる!
小学生の「興味を持ったとき」の記憶力ってすごいものがありますよね。ポケモン全部言えるとか(ニハシは言えませんが)。子どものときは、スポンジのように知識を吸収する力があります。
例えば2021年度の洗足学園中学校の社会の入試問題では、以下のような問題が出ました。
問1 下線部(ア)に関連して、近年、BRICSと総称される国々が急激な経済発展を遂げており、政治的にも発言力を増しています。BRICSにあてはまる国として正しいものを、次の[地図]中のA~Dの中からひとつ選んでアルファベットで答えなさい。
※地図は省略
問2 下線部(イ)に関連して、日本の税金をめぐる状況について述べた文①~③の内容の正誤の組み合わせとして正しいものを、次のA~Hの中からひとつ選んでアルファベットで答えなさい。
① 2021年4月より、消費税率は15%に引き上げられる予定である。
② ふるさと納税制度が導入されたことにより、税収が大きく減少した地方公共団体がある。
③ 所得税は、税を負担する人と実際に納税する人が異なる間接税である。
※選択肢は省略
※洗足学園中学校は、入試問題をHP上で誰でも見られる状態で公開してくれています。興味を持った方はぜひ一度訪れて、どんな問題を受験生が解いているのかのぞいてみてください。
社会の公民分野、時事問題の問題を一例としてあげましたが、国語、算数、理科、社会と「このぐらいのことを知っていたり、できたりしたら、教養のある人だなあ」っていうところまで中学受験の勉強をこなすと身に付けることができます。もちろん年齢を考慮して、まだ学ばないことなんかもあるのですが、地元の公立中に通う中学3年生より中学受験をする小学6年生のほうが、知識あるんじゃないかあと思うぐらいの知識量になります。
知識が多くなるのは、単純に人生が豊かになると思います。(知識ばっかりあってもダメなのもわかりますが、それは知識の活かし方の問題かなと)
また、中学受験というと「たくさん勉強して、とにかく知識と公式を暗記!」と思われる方もまだまだいらっしゃるかもしれませんが、「考える力」が必要な問題も多いため、必然的に「考える力」も身についていきます。
またまた洗足学園中学校の2021年度入試から、次は算数の問題です。
花子さんはノートを何冊か定価で買い,消費税込みで3168円払いました。園子さんは同じノートをセール中のお店で定価の2割引きで買い,花子さんと同じ金額で花子さんより4冊多く買えました。花子さんはノートを何冊買いましたか。ただし,消費税は10%とします。
小学生は連立方程式を使わずに、図にしたりすることでこういう問題を解いていきます。(教える先生の方針では連立方程式にするかもしれませんが、中学受験算数の先生たちは、安易に数式に頼らず図解して解いていくことが多いです)
大人になって学ぶような論理的思考能力などを自然と学ぶような学習をすることになります。
2・精神力=忍耐力や集中力が身につく!
楽しんで受験勉強をできるのが一番ですが、そこは「勉強」でもあるので、楽しいばかりではないことも多いです。ゲームしたいのを我慢して学習したり、やる気がでなくても明日までに宿題やらなきゃいけなかったり…。
それらも前向きにとらえれば成長するための経験ととらえることもできます。
また、集中力の向上も図れます。これは毎日見ている保護者の方はなかなか気づかないかもしれませんが、「うちの子は集中力がない!」なんてなげいているお子様も、学習を継続していけば少しずつでも集中力が向上していきます。
塾だと、夏期講習なんかで、普段塾に通っていない生徒が来ることがあります。そんなとき、やっぱり普段から通っている人のほうが、計算が速かったりノートとるのが速かったりして成長を感じることが多々ありました。
3・成功体験や失敗体験ができる!
「受験勉強」は毎回満点がとれる学習ではありません。例えば日本で一番東大の合格者を出す開成中学校の合格者平均点は、310点満点中217.9点です。おおよそ7割ぐらいです。
つまり、合格できる人でも3割はできないということになります。
公立の小学校とは違い、「できない」「知らない」「わからない」ということがあって当たり前です。
こういう内容を学習していくので、うまくいかないことも出てきます。
塾に通っていれば、成績が上がらない、塾のクラスが下がった、志望校判定が悪かった、というようなことも起こると思います。
受験生はそれを乗り越えて受験まで向かっていきます。
「失敗は成功のもと」なんて言いますが、受験を通していろいろな「失敗」を経験できるのは貴重なことだと思います。
また、成功体験も積むことができます。
さっきと逆で「成績が上がった」「クラスが上がった」という目に見えた成功もありますし、「学習の方法がわかった」「暗記の方法がわかった」ということもあるでしょう。
もちろん大きな成功体験、失敗体験は受験自体の合否になるでしょう。
いずれにしても、保護者の方を中心に、成功体験でも失敗体験でも次につながるような意識づけを行ってあげることが大切になります。
中学進学後のメリット
こちらのほうはイメージがわきやすいかなと思います。私立に進学する場合は、ある程度経済的に安定した家庭のお子様が在学しているため、学校が荒れたりクラス崩壊みたいなことが起きにくい(起きにくいだけで、起きたりすることもあります)、大学の合格実績がよい、ということがあります。それ以外の要素を二つ述べます。
4・お子様に合った学校を選べる!
私立の中学校は、私学であることを活かして、それぞれが特徴のある学校運営をしています。また学校の雰囲気もそれぞれ違います。
おとなしいタイプの子に向いている学校、活発な子に向いている学校、自由な学校が向いている子、規律正しい学校が向いている子、男子校や女子校が向いている子、それぞれの特徴に合わせた学校を選ぶことができます。
もちろん、進学実績なども大事ですが、お子様に合った環境を選べるというのは大きなメリットではないかと思います。
5・親子の絆が深まる!
「中学受験は親の入試」なんてことも言われたりします。わたし自身は、「主役は生徒本人だ」と思っていましたが、もちろんご家庭、保護者の方の協力も必要です。その分、「親子で頑張った!」という充実感を親子ともに感じることができます。高校入試、大学入試ではなかなか味わえない感覚です。
中学受験をするデメリット3選
1・時間がとられる=他の習い事や遊ぶ時間が減る
「勉強は量より質」なんてことも言われますが、同じ質の勉強をしているのであれば、あとは量の勝負にもなります。「効率よく学習しよう!」って言っても、経験を積んだ大人とは違い、小学生にはなかなか「質を高めて効率よく!」といっても難しい場合もあります。
そうなると、あとは学習量で勝負!ということになりがちです。
また、学校では習わないことを学習するため、知識と技術の習得にある程度の時間は必要になってきます。
学習量や塾の授業時間はもちろん千差万別なのですが、一般的に以下の表ぐらいの時間がとられます。
塾の授業 | 家庭学習 | |
小学4年生 | 2~5時間/週 | 7~10時間/週 |
小学5年生 | 7~10時間/週 | 10~15時間/週 |
小学6年生 | 10~15時間/週 | 15~20時間/週 |
5,6年生になると遊ぶ時間や習い事の時間をかなり削ることになる方が多いです。
もちろん、もっと短い時間で受験まで進む方もいますし、最後まで週5で習い事をしながら受験する方なんかもいます。逆にもっと学習時間が多い方もいます。
いずれにせよ、ある程度勉強以外の時間を減らす必要が出てくることは間違いないでしょう。
2・どんな成績になるか、どんな学校に入れるかわからない
「うちの子なら、このぐらいの成績は取れて、こんな学校に入れるはず!」
と思っても、みんながみんな、そんなに予想通りにいくわけではありません。小学6年生というのは、成長の度合いもまだまだバラバラです。特に中学受験はほとんどの方がある程度準備をして臨むものです。受験に対する準備をしていない方がほとんどいない受験のため、「こんなに頑張っているのに、こんな偏差値しかとれないの?」というようなことになることも多々あります。親御さんの思う通りの道が必ず待っているとは限りません。
3・保護者の負担も結構ある
どれぐらい保護者の方がサポートをするか、それはご家庭それぞれではありますが、当然保護者の方のサポートも必要です。塾の送迎、塾に合わせた食事の準備(高学年は塾でお弁当のところも多い)、塾の準備(プリントとかノートとかテキストとか、提出物とか)、塾の説明会や先生との面談や相談、学校選び、学校の説明会、宿題の管理(お子様だけでできれば理想ですが、なかなか難しいことも多いです)、質問対応(わからないことはまずは親に聞くって人も多いです/どう対応するかは塾の先生と相談ですが、親御さんががっつり教えているという場合も多いです)などなど、すべてを親御さんが行う必要はないのですが、それでも程度の差はあれ、親御さんが行うことは多いです。
また、当然金銭的な負担も出てきます。入学後のことも考えて、経済的な状況をご家庭でよく話し合う必要もあるかとおもいます。
まとめ
中学受験のメリット、デメリットをお話ししました。
「結局中学受験やったほうがいいの?」
という質問には、
「お子様と、ご家庭による」としか答えようがないのが正直なところです。
「えー」と思われるかもしれませんが、お子様の性格もご家庭の方針や状況もみんなバラバラなので一概には言えません。
※塾の先生とかは「やったほうがいい」といいがちです。だいたいの先生は親身になって話を聞いてくれて本当のことを伝えてくれるとは思いますが、「受験する=うちの塾に入ってくれる」という考えが全くないわけではないので、本当にニュートラルに答えるのは難しいです。まあ合格実績重視の塾なら「見込みのある子ならぜひ入ってほしいけれど、そうでないなら…」なんてことも頭をよぎったりするかもしれません。
ただ、受験をするかどうかを決める前に、しっかりと考えておくことは、大切なことだとは思います。
一つでも皆さんの参考になれば幸いです!
以上!
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